講評:浅井愼平氏(審査委員長)【クリックすると講評が読めます】

総評

 応募者の方々が募集テーマをよく理解して撮影している、そのことが作品からよく伝わってきました。テーマを自分なりに解釈して工夫して撮ったもの、そのための苦労をおしまなかった1枚など、「考えや感覚をどう写真に表現するか」ということに挑戦したクオリティの高い応募作品が増えてきたと思います。応募者の方々の力が確実に上がってきていますね。
 このコンテストは「カレンダーをつくる」ことを目的としていて、審査は月別に行うという特徴があります。そのため、優れた作品が同じ月に集中すると、残念ながら落選となる作品がどうしても出てきてしまいます。今年はクオリティの高い作品が多かったので、例年にも増して審査の難しさを感じました。
 また、カレンダーに選ばれた写真は1ヶ月間ずっと見てもらうことになります。そこで必要なのは、季節感がきちんと感じられたり、何度か見ているうちに新しい発見があるといった写真の豊かさです。なぜなら、カレンダーの写真とは「家の中にあるもう一つの窓」のような存在だからです。窓から外を眺めるように、カレンダーの写真というものは見られる。そうしたことも頭に置いて、応募いただけるとよいのではないかと思います。

金賞作品について

 金賞の「石塚のさくら」は、色があるにも関わらずモノトーン的に表現されていて、これほど個性的に表現された桜の写真はめずらしいと思いました。桜はなかなかイメージ通りに写らない難しい被写体ですが、この作品は、桜の繊細な美しさを見事に捉えていると思います。どうしたら、自分の中の桜のイメージを写真にできるのか、いろいろ努力された結果の1枚でしょう。今年のたくさんの応募作品の中で、ひときわ目立つ作品でした。

銀賞作品について

 銀賞の「祈りの夜」は、ライトアップされた原爆ドームと、さまざまな灯ろうが川面の表情と一緒に写されていて、造形的によくできた作品だと思いました。祈りの夜のイメージが明快に伝わってきます。説得力のある写真ですね。明かりが色鮮やかに表現された夜の雰囲気もよかったです。簡単なようで、ここまでのレベルにはなかなか撮れない1枚だと思います。

金賞


「石塚の桜」梶浦 俊之
「石塚のさくら」
梶浦 俊之

(撮影地:長野県)
壁掛け4月

銀賞


「祈りの夜」千葉 洋
「祈りの夜」
千葉 洋

(撮影地:広島県)
壁掛け8月

優秀作品賞

「春の訪れ」
三浦 誠

(撮影地:福岡県)
壁掛け表紙

「雲見の富士山」
竹村 幸和

(撮影地:静岡県)
壁掛け1月

「夕暮れの運河」
竹下 邦茂

(撮影地:大阪府)
壁掛け2月

「ひなまつり」
高橋 猛

(撮影地:千葉県)
壁掛け3月

「石塚のさくら」
梶浦 俊之

(撮影地:長野県)
金賞 壁掛け4月

「夏も近づく頃」
山田 英雄

(撮影地:静岡県)
壁掛け5月

「惚れ惚れ見入る」
渋谷 武宏

(撮影地:長野県)
壁掛け6月

「激走」
池上 和夫

(撮影地:福島県)
壁掛け7月

「祈りの夜」
千葉 洋

(撮影地:広島県)
銀賞 壁掛け8月

「棚田の案山子かかし
村山 章

(撮影地:千葉県)
壁掛け9月

黄金こがね色の愛」
今 明美

(撮影地:北海道)
壁掛け10月

「陽光のラグーナ」
山下 勝隆

(撮影地:兵庫県)
壁掛け11月

「サンタクルーズ」
小髙 紘佑

(撮影地:神奈川県)
壁掛け12月

佳作

「春風に乗って」
有賀 由一

(撮影地:静岡県)
卓上表紙

「雪さらし」
能川 慎弥

(撮影地:新潟県)
卓上1月ー2月

「春うらら」
黒川 知潔

(撮影地:兵庫県)
卓上3月ー4月

「チャグチャグと馬コが行く」
蒲澤 隆治

(撮影地:岩手県)
卓上5月ー6月

「緑滴る水路」
廣井 貞敏

(撮影地:岡山県)
卓上7月ー8月

「糸トンボ」
田村 宏

(撮影地:京都府)
卓上9月ー10月

「暮色」
与原 一義

(撮影地:神奈川県)
卓上11月ー12月

努力賞

「里の冬」
宮田 敏幸

(撮影地:鳥取県)
2月

「お見事」
河野 國助

(撮影地:愛媛県)
5月

「新緑」
石川 吉夫

(撮影地:福岡県)
5月

「渓流春景」
逓駅 和子

(撮影地:青森県)
5月

「FACTORY WATCHING」
島崎 守

(撮影地:三重県)
6月

「弁慶を生じたねぷた絵師」
門馬 経晃

(撮影地:青森県)
7月

「夏の夜の競演」
髙橋 浩

(撮影地:静岡県)
7月

「海の玄関・横浜港」
片山 和澄

(撮影地:神奈川県)
10月

「獅子舞い」
佐海 忠夫

(撮影地:茨城県)
11月

「憧憬」
小椋 利昭

(撮影地:茨城県)
12月