小学校での情報教育の実践と評価研究」研究プロジェクト

はじめに

 タブレット型PCの普及により、小学校にも一人1台のPCの配備が加速されるようになってきました。また高速のインターネット接続環境が進み、ようやく本当に利用できる手軽さと安価さなどの条件が整ってきたという印象です。PCが学校に導入されるようになって40年以上がたちますが、これまでの実践研究を振り返ってみると、考えられるあらゆるタイプのPC活用の実践が試行されてきています。しかし、なかなか普通の学校で、普通の授業で、しかも、ICTを活用する意義や効果のある実践に広がっているとは、言い切れません。

 授業におけるICT活用は既に、開発や啓発のフェーズではなく、実践・普及のフェーズに入っています。ここで実践を変えていくには、新しい可能性を示すことより、授業をもっとよくしたいと思っている先生方のだれでもがイメージできる授業の開発、模索できるような環境つくり、伝承体制、支援の仕組みが必要なのです。

 一口にICTの活用といっても、教師が教科の授業で効果的に利用したい場合、児童生徒自身がICTを活用して学習を進める場合など様々です。特に一人1台のPCの時代になると、PCは内容や方法を解説してくれる教科書として、学習の記録やまとめを記述するノートとして、そして情報共有や共同学習を可能にするツールとしてなど、1台で2役も3役もこなす、これまでにない活用の仕方が可能になり、その学習環境に関する検討も進めていかなければなりません。

 ここで、期待されているのは、

  • A) ICTを子どもが活用した演習型の授業実践
  • B) ひとり1台のタブレットを活用したグループ学習・協調学習
  • C) 学校外での活動と連動したアクティブラーニング型の学習

など演習中心型の授業です。

 実践・普及のフェーズでは、ICTの活用に長けたスーパーティーチャーの特別な実践を紹介いていくだけでは、拡大は望めません。これまでの実践の中にモデルとなるべきいい実践はいくらでもあり、それらの実践をもとに、若い世代の教員にその目的や方法を伝授し、自分たちで実践できるようにしていく必要があります。


 2016年度の取り組み

 本プロジェクトは、これから求められる(しかもICTを有効に活用した)普通の授業を普及させることを目的として、2016年6月にスタートしました。

 具体的には、これまでJNK4の会員である現職教員が各地域でこれまで進められてきた(いい)実践を、普通の学校で、普通の教員が、日常の授業として展開できるようにする方法を開発していくことを目的としています。

 今年度は、まずいくつかにテーマを絞って、在職して数年の若い教員や教科教育で実績をあげてきた(がICTの活用については経験の少ない)教員に、ICT活用を実践していただき、それに対する助言や支援を行い、どのようにすれば、活動を広げることができるかを検討することから始めました。

 このホームページは、1年目の活動の報告の資料をまとめたものです。まだまだ模索の段階で、成果を十分に伝えることはできませんが、取り組みの一部が伝わればと思います。

                                2017年 3月

                                プロジェクト代表  永野和男
                                 (JNK4会長 聖心女子大学)