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イベント情報

「NHK介護百人一首2016」作品紹介

「NHK介護百人一首2016」へのたくさんのご応募ありがとうございました。
寄せられた短歌13,365首の中から選定された100首をご紹介します。
掲載内容は、平成27年12月時点の情報に基づいています。

作品検索

作者一覧

赤座 初子
外泊の夫(つま)の介護のなき今宵(こよい)なぜか淋しく孤独の眠り


赤田 文女
目を閉じる力のすでに無き父にタオルをかけておやすみを言う


秋末 佐惠子
今日一日(ひとひ)夫(つま)がくれたる公休日眼科に歯科と梯(はしご)で終わる


安藤 勝之
片麻痺(へんまひ)の動く片手に蚊がとまり妻はくやしく口で嚙(か)み付(つ)く
飯野 慶子
ぬくもりを残して逝きしこの手すり今はわたしの支えとなりて


飯野 孝子
手になじむ鋏(はさみ)出(い)できぬ舅姑(ちちはは)の髪を切りたるかの日々遠し


池田 敦子
嫁の出すグーを見てから手を広げ得意満面姉のリハビリ


石田 冨美子
医者にまでかわいい人と言われけり認知症とて幸せなりや


石山 マサ
末期なり酸素は夫(つま)の命綱犬まで上手に管をよけたる


伊集院 洋介
リハビリの君の歩幅はさらに伸びて妙正寺川は短くなりぬ


伊藤 ふみ子
中腰で構える夫(つま)の胸もとに脚の立たざる吾(わ)が身あずける


井上 裕美
金魚見て「これおいしいか」母たずねほっとするやらぞっとするやら


岩田 幸子
「バカタレ!! 」は嫁に対する「アリガトウ」介護用語と軽く受け止む
上地 洋子
よく似合うTシャツの背に書かれたる「なんくるないさ」は姑(はは)の生き方


内田 住恵
「愛してる」年甲斐(としがい)もなく叫ぶ妻失語の夫は顔を赤らむ


内海 悠
曽祖母の介護している祖父の背を見て目指したよ介護福祉士
海老名 咲絵
一日に何度も聞かれる私の名その度名前を褒めてくださり


江見 眞智子
呆(ほう)けたる夫(つま)にも力のまだありて五十五キロのわれを抱きあぐ


遠藤 雍子
試歩(しほ)の夫(つま)ふりむき私を視野に入れまたゆっくりと足を踏み出す
大阿久 雅子
握手することが夫のありがとうヘルパーさんに看護師さんに


大谷 将夫
枕元の時計の電池換えしのみふる里の母見舞いにきたのに


大森 きよ子
大好きなあめ玉ひとつとけるまで母に寄り添う兄の優しさ


奥村 厚子
二人きり薬は飲んだか尋ねたり声かけあって夫婦仲よく


長田 恵
初面談「何がしたい?」と尋ねたら「恋がしたい」とまもなく100歳
上島 靖子
デイバスの夫(つま)に投げキスする我に周り見渡し受け返し行く


河上 しげみ
認知症の母が父と手をつなぎ吾(われ)を見送る春のバス停


川口 千里
おじいちゃん私のあげたプレゼント穴があいても使っているね


菅 伸明
寝たきりの妻に与えるひと匙(さじ)の葛湯にくぼみつけつつ運ぶ
北浦 結衣
寝たきりの祖父にもう一度歩けると伝えたくて介護士の道


北澤 実夫
老夫婦掃除の前に腰かばい湿布貼りあう元日の朝


北野 敦敏
柔らかに触れる気配で目覚めれば行火(あんか)差し込む若き介護士


木下 召乙
極楽はあるかと問えば母は言う「ここがそうだ」と吾(われ)を慰む
熊谷 政子
叩(たた)いてもさすっても出ぬ血管に夫(つま)はナースに何度も詫(わ)びる


熊本 末代
うわ言に「お前も一緒に死んでくれ」病み篤(あつ)き夫(つま)の愛と受け止む
小久保 美佐子
短冊に弱き筆圧で書かれいし「ミサコアイラブユー」恋文みつけ


後藤 親子
病ゆえ家族に何もしてやれぬ私のしごと笑顔でいること


小林 久子
散歩するいつもの道に友は居て「歩け歩け」とエールをくれる


五味 竹子
電動のバリカン握り初仕事病みたる夫(つま)の白き髪刈る


近藤 洋子
すやすやと眠りゆく母の枕辺に姉妹で歌う「朧月夜(おぼろづきよ)」を
堺谷 和子
リハビリは手助け無用さとされて見ている我に鬼という夫(つま)


鷺沢 月子
嚙(か)み応え無き食続き独り居て薄焼きセンベの音を味わう


櫻井 正文
入院の吾(われ)の手を引き案内す介護士気取りの二歳の孫は


佐藤 遼
握られる手の強さとふるえから伝わってくる不安と恐怖
嶋田 幸枝
認知症進んでいてもおいしいのたったひと言でやる気がおこる


白坂 好伸
要介護になった今も仏壇に飾られている軍服の青年


陣場 友理
祖母は言う10分おきに金あるかありがたいけど少し悲しい
末永 富枝
手をつなぎ歩いた道を夫(つま)乗せて車椅子押す金婚の今


杉崎 あかね(ペンネーム)
惚(ほう)けたる母の手編みし冬帽子かぶりて出(い)づればほのぼのぬくし


杉山 隆幸
認定で昨夜の食事尋ねられ「刺身だった」と見栄(みえ)を張る義母(はは)


杉山 信子
老い母の足をさすりて爪の型良く似ていると涙あふるる


頭本 信代
ひげ剃(そ)りはあんたに限るとおだてられ百歳の顔男前にする
瀬尾 幹子
真夜中の避難勧告とても無理ゴメンね私も一緒に居ます
早出 昭雄
結ばれし糸は赤から黄金色(こがねいろ)祝う二人は妻住む特養
高本 壽子
夜深きに介護手間取る吾(わ)が頭そっと手を置く夫(つま)のいたわり


田口 すい子
「すまないね」姑(はは)のひと言十二年我の介護を支えし言葉


武田 未来
行くたびになんでもくれるおばあちゃん詐欺に遭わぬかとても心配


武智 富貴
三歳のひ孫がこれで治るよとリウマチ吾(われ)にオモチャの注射器


田中 由紀子
朝だけはやさしくなってする介護ロボットならば一日出来る
智泉 花子(ペンネーム)
昼下がりデイサービスの一角で少女に戻る風船バレー
寺司 愛子
出来ぬこと出来ることより多けれど今日また一つ出来ることあり


寺田 美代子
数枚の写真みる母これが良い遺影にしてネ自分で決める
長野 八重子
徘徊(はいかい)について歩けば地区の人我にエール勇気百倍


中野 裕介
「可愛(かわい)いね」「どこから来たん」問う声に「キャハハ」と笑う介護ロボット


中村 俊子
これ内緒(ないしょ)ガーゼに酒を含ませて口あけし夫(つま)の唇湿す


中村 嘉子
「帰りたい」言わない母と言う父の言葉の重さ病の重さ
西田 敬子
iPS新薬開発待つ身なり傘寿(さんじゅ)を越して夢は希望に


西塚 圭
声出せぬ父の言葉は目で合図母見る顔は幼子のよう


仁戸 共代
「おじいちゃんあきらめちゃだめ」ひらがなのたどたどしい字が夫(つま)を励ます
野中 カツ子
いいですねえほめ上手なり療法士夫(つま)は勢いパタカラパタカラ
八田 暁美
「重いからこの左手を持ち帰って」夫(つま)の言いたりためらいもなく


原 順子
エレベーター乗り込み母が自己紹介乗り合い人に笑みがこぼれる
日置 幸子
そんなこと悩みのうちに入らぬと言っている気がする百七歳の笑み


東田 至弘
先輩に「墓に布団は掛けえぬ」と言われて決心老母の介護


平島 充
「あんただれ」マジメな顔してあなた言う鏡に映るあなた自身に
深代 栄一
自らのデイのない日にバスに乗り施設の父を母は訪ねる


深谷 弥生
おしゃれをし政治について語り合うとあるカナダのグループホーム


藤 めぐみ(ペンネーム)
車椅子押して歩きし夏の道一本の水父と分け飲む


不破 陽子
萎えし手でティッシュの箱に書きてあり「えんめいいらん」と母の七文字
保尊 重子
難病の夫(つま)への苛立(いらだ)ち晴らさむと愚痴聞き地蔵手作りしたり
前田 節子
二十年前子に付けし名札今デイサービス行く義母(はは)の背に縫う


真栄田 ミサエ
耳遠き八十(やそ)のイケメンと会話する交換日記のごとくノートで


増田 信子
起きぬけにどなたですかと問う夫(つま)に愛人ですと頰にキスする


松川 涙紅(ペンネーム)
亡き父にそっくり故におふくろの「あなた」に応え父を演じる
三浦 サワヨ
病床で舟こぐしぐさする夫(つま)よ海を思うかあのふるさとの


三叚嵜 ナミ
爺(じい)ちゃんの車椅子が特等席みんなで囲みお花見弁当


美濃山 樹
ばっちゃんは今日も雨だと外を見ず関節痛の天気予報


宮﨑 君惠
ハグをして二人であがる体重計自分の分を引いて記録す
目原 紀世美
車椅子慣れぬ手つきで夫(つま)を乗せ初心者マーク院内散歩
森澤 三佳
親想う子らの家庭を壊すまじ二人で励む百歳体操


森下 恵子
鶴を折る父の指先ぎこちなく一時間をかけ空へと飛ばす


森村 貴和子
部屋中にメモ書き画鋲(がびょう)で留めてあり母の異常を覚悟した日


諸橋 佳子
しがらみも浮き世の義理もみな忘れ毎日おだやか百歳の母
柳本 有咲佳
「こんにちははじめまして」と笑む祖父に「素敵(すてき)な人」とはにかむ祖母が


山口 俊子
帰りたいひと月でもとの思いよせ家は改修工事を急ぐ


山下 ちひろ
食事前窓の外におがんでる「神様食事をありがとう」


山本 ちはる
朝が来てはじめましてと祖母が言う十九年の時を忘れて
吉川 久美子
百六歳の母が娘に礼を言う「育ててくれてありがとうお母さん」


吉田 弘湖(ペンネーム)
押し入れに残せし夫の紙おむつ娘がいずれ私に使うと


米森 亜希奈
口パクで想(おも)いを伝える利用者の想いをうけとる介護福祉士
渡部 順子
警察署の取調室に小さき義父(ちち)食事くれぬと訴えており

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